「バルサン」と一言で言っても、実はいくつかの種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットが存在することをご存知でしょうか。自分の住環境や目的、そして駆除したい害虫の種類を考えずに、ただ漠然と選んでしまうと、効果が十分に得られなかったり、火災報知器を鳴らしてしまうなどの思わぬトラブルを招いたりすることもあります。代表的な「煙タイプ」「水タイプ」「霧タイプ」の三種類の特徴を正しく理解し、あなたの家に最適なバルサンを選びましょう。まず、最も古くからあり、パワフルなのが「煙(くん煙)タイプ」です。これは、火をつけた線香のようなものを薬剤の缶に入れることで、大量の煙を発生させる仕組みです。その最大のメリットは、殺虫効果が最も高く、煙が部屋の隅々、家具の裏側、天井裏といった隠れた害虫にまで強力に行き渡りやすい点にあります。一方でデメリットは、煙の量が多いため火災報知器が最も反応しやすく、匂いも強く残りがちであることです。そのため、アパートやマンションなどの集合住宅での使用には、近隣への十分な配慮が必要となります。戸建て住宅や、害虫被害が深刻で徹底的に駆除したい場合に最適なタイプと言えるでしょう。次に、煙タイプのデメリットを軽減したのが「水タイプ」です。これは、水と薬剤の化学反応によって、煙ではなく水蒸気を発生させる仕組みです。火を使わないので安全性が高く、煙が出ないため、煙タイプに比べて火災報知器への影響が少ないのが大きな利点です(ただし、高感度の警報器は反応することがあるので養生は必要です)。匂いも比較的マイルドで、部屋の汚れも少ないため、煙タイプよりも気軽に使いやすいでしょう。デメリットとしては、煙タイプに比べると、わずかに拡散力が劣る場合があると言われています。集合住宅にお住まいの方や、火を使うことに抵抗がある方に適しています。そして、最も手軽で modern なのが「霧(ノンスモーク)タイプ」です。これは、缶のボタンを手や足で押すだけで、殺虫成分を含んだ微細な霧が噴射されるエアゾール式です。煙も熱も出さないため、火災報知器に最も反応しにくいのが最大の特徴です。準備や後片付けの手間が少なく、部屋が汚れにくいのも嬉しいポイントです。
煙、水、霧どれを選ぶ?バルサンの種類と正しい選び方