トイレのつまり危機一髪

15年ほど前でしょうか。私はことのほか大きな便を自宅のトイレでしてしまいました。どの交野ではどんなに水漏れが起こってからことのほか大きいので、まずは便だけ流してしまえばいいものを、そこは未熟者の私のことです。トイレットペーパーを大量に使い(ウオシュレットではなかったため、拭いても拭いてもついてきて、やっとつかなくなった時にはかなりの量のペーパーが便器の中に鎮座してました)、そしてレバーを押しました。すると水面がどんどん上がってきて、きゃあ、溢れるーと思ったその時、水が便やペーパーとのわずかな隙間から流れて行ってくれたのです。ギリギリセーフです。床を水浸しにしなくてすみました。階下の住人から文句を言われずにすみました。なんとか間一髪、水が便器からこぼれるのを回避できました。ですが、便やペーパーはまだそこにあります。水面は少しずつ下がっています。ですが、もう一度水を流す勇気は私にはありません。今度こそきっとあふれるからです。さあ困った。あっ、そうだ、パッコンパッコンするやつを買ってこよう、ということで近くのスーパーに走りました。ありました。よかったー。人生初のパッコンパッコンです。急いで帰宅し、試しました。ところがです、全然流れていきません。きっと、パッコンの当て方がずれていて真空状態になっていないのでしょう。何度も試しましたが、上手くいきません。お手上げです。こうなったらその道のプロを頼るしかありません。郵便受けにいつも入ってる、「水回りで困ったときはこちらへ」のチラシに書いてある番号に電話して来てもらいました。どうするかと見ていたら、件のパッコンパッコンを手に、便器に当て、まずは押して凹の状態にし、次に引っ張り凸の状態にしたら、全てのものがサーッと流れていきました。なんということでしょう。プロが持つ秘密兵器があると思いきや、家庭にあるもので出来たのです。ということは私でも出来たのです、真空状態にさえすれば。脱力しました。料金の一万円札が涙で霞んで見えました。