バルサンを使用する際に、最も起こりがちで、そして最もパニックになりやすいトラブルが「火災報知器やガス警報器の作動」です。突然、家中にけたたましい警報音が鳴り響き、近所迷惑になるだけでなく、マンションやアパートでは警備会社が駆けつけたり、最悪の場合は消防車が出動したりする大騒ぎに発展することもあります。この最悪の事態を避けるため、警報器への正しい対処法を徹底的に理解し、万全の準備を整えておきましょう。そもそも、なぜ警報器はバルサンに反応するのでしょうか。家庭用の火災報知器には、主に「煙感知器」と「熱感知器」の二種類があります。バルサンに反応するのは、煙の粒子を感知する「煙感知器」です。昔ながらの煙をモクモクと出すバルサンはもちろんのこと、最近主流の「水タイプ」や「霧(ノンスモーク)タイプ」も、目には見えにくい微細な粒子を空間に噴射するため、高感度な煙感知器はそれを火災の煙と誤認してしまうのです。また、キッチンに設置されていることが多いガス警報器も、薬剤の成分(LPGなど)に反応することがあります。一方で、「熱感知器」は周囲の温度の急激な上昇を検知する仕組みのため、バルサンには通常反応しません。しかし、自宅の警報器がどのタイプか見た目では判断が難しい場合や、複数のタイプが混在していることも多いため、念のため全ての警報器をカバーするのが最も安全で賢明な判断です。最も確実な対策は、バルサンの製品に付属している「専用カバー」を使用することです。もし手元にない場合や、サイズが合わない場合は、ご家庭にあるビニール袋とマスキングテープで代用できます。警報器の感知部分(スリットや穴が開いている部分)を、隙間ができないようにビニール袋で覆い、テープで壁や天井にしっかりと固定します。この時、ガムテープやクラフトテープなど粘着力の強いテープを使うと、剥がす際に壁紙を傷めてしまう可能性があるので、剥がしやすいマスキングテープや養生テープを使うようにしましょう。万が一、カバーをし忘れたり、カバーが不十分で警報器が作動してしまった場合は、慌てずに行動してください。まずは、すぐに窓を開けて部屋の換気を行います。次に、警報器本体についている「警報停止」ボタンを押せば、多くの場合音は止まります。それでも止まらない場合は、速やかに管理会社や大家さんに連絡し、事情を説明しましょう。
火災報知器が鳴り響く!バルサン使用時の警報器トラブル対策