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キイロスズメバチの巣は、夏から秋にかけて巨大化し、手がつけられないほど危険な状態になりますが、その始まりは非常に小さく、見過ごされがちです。しかし、巣作りが始まる春先から初夏にかけての「初期巣」の段階で発見し、適切に対処できれば、被害を未然に防ぐ、あるいは最小限に抑えることが可能です。ここでは、キイロスズメバチの初期巣を見つけるためのコツをいくつかご紹介します。まず、初期巣の形状を知っておくことが重要です。キイロスズメバチの初期巣は、女王蜂が一匹で作り始め、とっくりを逆さまにしたような形、あるいはフラスコのような形をしています。大きさは数センチメートル程度で、色は茶色や灰色がかっています。この時期はまだ女王蜂一匹しかいないか、働き蜂が数匹程度しかいないため、巣の規模も小さく、比較的おとなしい状態です。次に、巣が作られやすい場所を重点的にチェックすることです。キイロスズメバチは、雨風が当たらず、外敵から身を守れる閉鎖的な空間を好みます。具体的には、家の軒下、屋根裏の入り口付近、ベランダの隅、エアコンの室外機の裏や内部、換気扇フードの中、あまり使わない物置の中、庭木の枝葉が茂った内部、生垣の中などが挙げられます。これらの場所を、特に4月から6月頃にかけて、定期的に見回る習慣をつけましょう。点検する際には、むやみに近づいたり、棒でつついたりせず、少し離れた場所から双眼鏡などを使って観察するのが安全です。また、蜂の出入りを観察することも重要な手がかりとなります。特定の場所に頻繁に蜂が出入りしている場合、その近くに巣がある可能性が高いです。特に、一匹の大きな蜂（女王蜂）が同じ場所を行き来しているのを見かけたら、巣作りを始めているサインかもしれません。もし初期巣と思われるものを発見した場合でも、自分で駆除しようとするのは危険が伴います。初期巣であっても、女王蜂に刺されるリスクはありますし、すでに働き蜂が羽化している可能性もあります。安全を期すためには、巣が小さいうちに専門の駆除業者に相談し、状況を確認してもらうのが最も確実です。早期発見は、大きな被害を防ぐための第一歩です。日頃から家の周りに関心を持ち、注意深く観察することが、キイロスズメバチ対策の重要な鍵となります。